「資料を作ったのに伝わらない」「もっとわかりやすく自社の強みやサービスの魅力を発信したい」
インフォグラフィックスは、複雑な情報を直感的に伝え、マーケティングやプレゼンの精度を高める手段として注目されています。

本記事では、実際の企業での事例を通じて、インフォグラフィックスがどのように活用されているのかを紹介します。
インフォグラフィックスでプレゼン資料の精度を上げる際の参考資料や、社員研修の教材としてもお使いいただけます。
ぜひ自社でのインフォグラフィックスの活用イメージを明確にするために、本記事をお役立てください。
インフォグラフィックスとは?基本的な概念と身近な例


インフォグラフィックスは、自社の強みやサービスの魅力をわかりやすく伝えられる手段です。
以下のトピックをおさえると、インフォグラフィックスの基本がわかります。
- インフォグラフィックスの定義と特徴
- インフォグラフィックスを活用するメリット
- インフォグラフィックスの身近な例
定義と特徴・メリットや身近な例を知って、どんな時にインフォグラフィックスを使うと効果的なのかイメージしましょう。
インフォグラフィックスの定義と特徴
インフォグラフィックスとは、情報を視覚的に伝える表現方法です。
図やグラフ、アイコンやイラストなどを組み合わせて、データや知識を視覚的に整理して表現します。



単なる文章や数字だけでは伝わりにくい情報も、視覚に訴えることで理解が格段に早くなるのが特徴です。
たとえば、売上推移を伝える際、表だけで示すよりも、グラフや矢印、色の変化を使ったビジュアルで提示すると、見る人に瞬時に印象付けられます。
図解によって「何を伝えたいのか」が明確になるため、会議やプレゼンの精度が向上します。
資料づくりの品質を高めたい場合には、情報を見やすく・わかりやすく・印象深く伝えるインフォグラフィックスの表現手法を知りましょう。


インフォグラフィックスを活用するメリット
インフォグラフィックスは、情報をわかりやすく印象的に伝える効果的な手段です。
視覚情報は、文章だけの情報に比べて、理解や記憶が容易です。
複雑なデータや内容も、図やグラフにすることで短時間で相手に伝わります。
以下のようなシーンで、インフォグラフィックスは力を発揮します。
- 短時間で理解してもらいたい時→ 社内プレゼンや営業提案で、要点を端的に伝える時に効果的です。
- SNSやWebサイトで注目を集めたい時→ グラフや図を活用した投稿なら目を引きやすく、拡散されやすくなります。
- 印象をコントロールしたい時→ デザイン次第で、見る人に与える印象や感情を調整できます。
インフォグラフィックスによって情報伝達の効果を高めたいなら、まずは「どの情報を視覚化すべきか」から考えましょう。
インフォグラフィックスの身近な例
インフォグラフィックスは、私たちの日常にも数多く存在します。
図解や案内表示もインフォグラフィックスの一例です。
身近に見られるインフォグラフィックスには以下のようなものがあります。
- 駅の路線図
- 非常口のピクトグラム
- ショッピングモールのフロアマップ
- トイレの案内サインやアイコン
これらはすべて「言葉が通じなくても意味が伝わる」ことを前提に設計されており、視覚的なコミュニケーションに役立っています。
日常にあるインフォグラフィックスに注目してみることでも、自社の情報発信にどう活用できるかのヒントが得られます。
インフォグラフィックスの種類と活用例


インフォグラフィックスには目的に応じた様々な種類があり、それぞれ最適な使い方があります。
この章では以下の代表的なインフォグラフィックスの種類と特徴を紹介します。
- ピクトグラム型|アイコン、シンプルなビジュアル
- チャート型|データを視覚化
- フローチャート型|手順やプロセスの可視化
- ダイアグラム型|関係性や構造の明示
- 地図型|地域別情報や位置情報
- 年表|歴史や変遷を表現
- 相関図型|関係性や因果関係を表現
種類と特徴を理解して、自社の課題や伝えたい内容に合わせた最適なインフォグラフィックスを選びましょう。
ピクトグラム型|アイコン、シンプルなビジュアル
ピクトグラム型は、誰にでもわかりやすく情報を伝えるインフォグラフィックスです。



文字を使わず、簡略化された絵で意味を表現するため、言語に関係なく直感的に理解できます。
例えば、非常口やトイレのマークといった案内サインは、ピクトグラムの代表例です。視覚的にすぐ理解できるため、緊急時や公共の場での情報伝達に役立ちます。
例:イラストAC「非常口はこちら02」


ピクトグラム型のインフォグラフィックスは、誰にでも伝わる情報表現として非常に有効です。
チャート型|データを視覚化
チャート型のインフォグラフィックスは、数値データを直感的に理解させるのに最適です。
棒グラフや円グラフなどを活用すると、情報の比較や傾向がひと目で把握できます。
文部科学省の「数字で見る日本のスポーツ」では、スポーツ参加率や運動習慣などをグラフで表現して、視覚的に状況を理解しやすくしています。
例 :文部科学省「数字で見る日本のスポーツ」(音声あり)


チャート型は、複雑な数値を見やすく整理できて、説得力あるプレゼンにも役立ちます。


フローチャート型|手順やプロセスの可視化
フローチャート型のインフォグラフィックスは、工程やプロセスを視覚的に整理するのに適しています。
各工程をボックスで表現して、矢印でつなぐことで流れが明確になります。
業務マニュアルや製品製造の流れなどに使われ、誰が見ても手順を理解できるようになります。
例 :イラストAC「簡易フローチャートセットイラスト」
業務の効率化やスムーズな共有に役立つのが、フローチャート型の強みです。
ダイアグラム型|関係性や構造の明示
ダイアグラム型は、構造や関係性を視覚的に把握させるためのインフォグラフィックスです。



イラストや図形を使うことで、複雑な内容をわかりやすく整理できます。
JTの「マナーグラフィックギャラリー」では、喫煙マナーに関する場面をイラストで丁寧に伝えています。
例 :JT「マナー グラフィックギャラリー」
ダイアグラム型は、説明が必要なシーンを直感的に理解させるのに有効です。
地図型|地域別情報や位置情報
地図型は、位置情報や地域ごとのデータを効果的に伝えるインフォグラフィックスです。
地図と情報を組み合わせることで、どの地域にどんな特徴があるのかが一目瞭然になります。
「きのこの山たけのこの里 国民大調査2020」では、都道府県別に商品の人気度を地図で可視化して、地域ごとの傾向をわかりやすく伝えています。
例 :株式会社明治
地図型は、エリアマーケティングや地域分析にも活用しやすいインフォグラフィックスです。
年表|歴史や変遷を表現
年表型は、時間の流れに沿って出来事を整理して、変化や成長を視覚化するインフォグラフィックスです。



年代順に並べることで、ストーリー性を持った情報伝達が可能になります。
キユーピーの「マヨネーズの歴史」では、商品の進化や企業の歩みを年表形式で紹介しています。
例 :キユーピー マヨネーズ
企業の沿革やサービスの歴史を伝える際に、年表型のインフォグラフィックスが効果的です。
相関図型|関係性や因果関係を表現
相関図型は、複数の要素や人物の関係性を一目で理解できるようになるインフォグラフィックスです。
構造的な関係を視覚で示すことで、背景やつながりを明確に伝えられます。
自社と顧客、取引先とのつながりを示したビジネス相関図や、登場人物の関係を示す人物相関図が代表例です。
例 :イラストAC「4つの円の概念図」
相関図型は、複雑な関係を明快に整理するインフォグラフィックスとして重宝されます。
企業でのインフォグラフィックス活用事例


インフォグラフィックスは、企業において様々な活用事例があります。
視覚による表現のため、営業や広報活動を後押しする以下のメリットがあるからです。
- 読み飛ばされにくい
- シェアされやすい
- 記憶に残る
この章では業種や対象者も様々な活用事例を紹介します。
事例から他社との差別化や情報拡散力アップのヒントをつかんで、自社での具体的な活用イメージを思い浮かべてみましょう。
事例1:KiteRa Pro|業務のお悩みを抱える人に寄り添うインフォグラフィックス
社労士向け規程業務効率化サービス「KiteRa Pro」のサービスサイトです。
対象者の主なお悩みをインフォグラフィックスで表現しており、「自分のためのサービスのようだ」「業務の悩みがサービス利用によって解決するのでは」と感じさせる工夫があります。
サービスを受ける手順にもインフォグラフィックスを活用しており、作成から電子申請までワンストップで対応してもらえる安心感を表現しています。
事例2|ニトリのリフォーム|サービスの流れをわかりやすく伝えるインフォグラフィックス
家具やインテリア販売の大手「ニトリ」のリフォームサービスを紹介するサイトです。
依頼からアフターサービスまでの流れをインフォグラフィックスで理解できる表現になっています。
文字とイラストのセットでサービスが紹介されているため、イラストを見るだけでもどんな工程があるのかわかりやすい表現です。
事例3|ふるまるふるさと納税サイト|制度の仕組みをスムーズに伝えるインフォグラフィックス
ふるさと納税による返礼品を扱うサイトです。
ふるさと納税の税制メリットをインフォグラフィックスを用いて解説しています。



税金の仕組みに詳しくない人でも、視聴するだけで情報のポイントがわかりやすくなる内容です。
ふるまるふるさと納税サイト|ふるさと納税 税金控除の手続き方法(音声あり)
事例4|保険市場|サービスの必要性をデータで伝えるインフォグラフィックス
生命保険に関わる統計データがインフォグラフィックスで表現されているサイトです。
年金や医療費など数値情報に目がとまるデザインで、保健の必要性や加入による安心感を感じさせることに成功しています。


事例5|数字で見る石坂グループ|採用サイトで自社データを伝えるインフォグラフィックス
廃棄物の回収や再生事業を手掛ける企業の採用サイトです。
従業員のデータを、ひと目でわかるインフォグラフィックスで表現しています。
平均帰宅時間や月次平均残業時間など、応募者の関心をひくデータも盛り込まれ、イラストと文字の組み合わせで親しみを感じさせます。
石坂グループを知る|数字で見る石坂グループ(ISHIZAKA GROUP RECRUIT 2025)


インフォグラフィックスの作成方法と作成ツール


企業のブランドイメージにあったインフォグラフィックスは、自社で簡単に作成できるのでしょうか。
自社で作成するのか、プロに依頼するのか、以下の解説から判断のポイントをつかみましょう。
- 自社での作成に向いているケース
- 制作会社への外注に向いているケース
自社での作成に使えるツールや、プロに依頼する場合の注意点なども紹介します。
自社での作成に向いているケース
社内で完結できる体制があるなら、自社制作でも十分なクオリティが出せる場合があります。
様々なツールの進化により、デザイン未経験者でもテンプレートを使って簡単に作成できるからです。
使い慣れたプレゼンツールのほか、クラウドツールでも、営業資料やSNS投稿用のインフォグラフィックスを短時間で制作できます。既存データを流用しながら、スピーディーに更新できる点も魅力です。
以下に代表的な制作ツールをまとめました。
ツール名 | 特徴 | おすすめの人 | 対応環境・備考 | 公式サイト |
---|---|---|---|---|
PowerPoint / Keynote | プレゼン資料作成ツール。図形やグラフ加工が可能でインフォグラフィックスにも対応 | 慣れたツールを使いたい人WindowsならPowerPoint、MacならKeynote | オフライン使用可(デスクトップ) | https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/powerpoint |
Google スライド | ブラウザ上で使用。クラウド保存に対応しチーム作業に便利 | 複数人で作成や編集したい人 | オンライン(Googleアカウント要) | https://www.google.com/intl/ja_jp/slides/about/ |
Canva | 無料で使えるオンラインのグラフィックツール。テンプレートも豊富 | デザイン初心者でも見栄えを重視したい人 | オンライン | https://www.canva.com/ |
社内に担当者や素材がそろっていれば、コストを抑えながらインフォグラフィックスを作成できます。
自社で作成する場合には、以下の記事をぜひ参考にしてください。
プレゼン資料は何で作る?おすすめのツールと作成のポイントを解説 | 図と言葉


プレゼン資料をラクにおしゃれに!コツ3選と無料テンプレートをご紹介! | 図と言葉


伝わる提案資料はパワポでどう作る?作り方と構成のコツを解説! | 図と言葉


制作会社への外注に向いているケース
重要な場面やブランドイメージが関わる資料は、プロに依頼することでインフォグラフィックスの制作を安心して任せられます。
情報整理や構成、デザインにおいて、プロは伝える技術に長けているため、成果に直結しやすいからです。
以下のように第一印象や説得力が問われる場面では、クオリティと信頼性を重視した外注が効果的です。
- 新サービスのローンチ時
- 投資家や経営層向けのプレゼン資料
- 採用ブランディングや会社案内パンフレット
「ここぞ」という場面では、専門家の力を借りて最大限の成果を狙いましょう。
制作会社へ外注する場合には、以下の記事もぜひ参考にしてください。
インフォグラフィック制作会社の選び方のコツは?失敗しないための方法を解説! | 図と言葉


プレゼン資料外注でクオリティを上げる!利用のポイントを徹底解説 | 図と言葉


まとめ:インフォグラフィックスを活用して自社やサービスの魅力を発信


インフォグラフィックスは、情報を「伝える」だけでなく「伝わる」ように整理・設計する最適な手法です。
文字では伝わりにくい複雑な情報や、視覚的に訴求したい内容を、誰にでも分かりやすく届けられます。



「何をどう伝えたいか」を起点に、インフォグラフィックスの活用を検討してみてください。
まずは社内資料からでも、そして必要に応じてプロに相談するのも有効な一歩です。
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