「説明が分かりにくいと言われてしまう…」
会議や研修、プレゼンのあと、そんなモヤモヤを感じたことはありませんか?
話し方そのものよりも、伝え方の順番や言葉の選び方に工夫が足りなかっただけ、ということもよくあるのです。
今回は、ありがちな分かりにくい説明の具体例をもとに、どこでつまずきやすいのか、そしてどうすれば伝わる説明に変えられるのかをやさしく整理してご紹介します。
この記事を読めば、社内の理解や行動が変わり、プレゼンの説得力も高まるはずです。実践で使える説明に必要な考え方や工夫、伝え方の改善ヒントが得られます。

分かりにくい説明の具体例とその理由

「分かりにくい」と言われる説明には、以下の3つの共通点があります。
- 専門用語が多い
- 話の順序が前後する
- 表現が抽象的すぎる
特に、社内の会議や研修のように、立場や経験が異なる人が集まる場では、ちょっとした言葉の違いが理解度に大きく影響するのです。
ここでは、現場でよく見られる「分かりにくい説明」の共通点を取り上げ、それぞれどこでつまずきやすいのかを整理していきましょう。
専門用語ばかり使ってしまう
話す側にとっては当たり前の言葉でも、相手にとっては意味があいまいだったり、そもそも聞いたことがない可能性もあります。
以下のような場面では、相手が途中で話についていけなくなることがあります。
自分の表現 | 相手の疑問 | 適切な言い換え例 |
---|---|---|
「APIで連携可能です」 | APIって何? | 「別のシステムと自動でつながります」 |
「リード獲得を強化します」 | リードって誰のこと? | 「新しい見込み客を増やします」 |
「UXを改善すべきです」 | UXってどの部分? | 「使いやすさや操作性を良くします」 |
専門用語はなるべく使わず、大多数へ意味が通じる言葉への置き換えが必要です。
話があちこちに飛ぶ
話の流れが整理されていないと、相手は何の説明をされているのか分からなくなってしまいます。

思いついた順に話してしまうと、説明の軸がぶれてしまうのです。
以下のようなパターンは特に注意が必要です。
話し方の特徴 | 相手の反応 |
---|---|
話の途中で別の話題に脱線 | 話の意図がつかめず混乱する |
前置きが長い | 重要なポイントが分からず集中力が切れる |
「最初に要点を言う→その理由→具体例」の順番を守るだけで、話が格段に理解しやすくなります。


抽象的な言葉を使ってしまう
あいまいな言葉ほど受け取り方に幅があり、放っておくと進捗や品質にバラつきがばらつきが出やすくなります。
以下のような言い換えをしてみましょう。
分かりにくい表現 | 具体的な言い換え |
---|---|
早めに対応 | 12時までに送付 |
品質を重視 | 不備ゼロを確認 |
しっかり進行 | 二人で再チェック |



「なるべく」「しっかり」といった言葉は、人によって感じ方が違うものです。
表のように数字や動作を入れるだけでゴールがはっきりし、お互いの思い違いが減ります。言葉を少し置き換えるだけで、仕事のスピードも変わりますよ。
なぜ分かりにくい説明になってしまうのか?


分かりづらい説明になる原因は、言葉選びだけではありません。何をどう伝えたいのかをはっきり決めないまま話し始めてしまうと、相手は分からなくなってしまいます。
まずは、自分の説明が以下の3つを押さえているかどうか確認してみてください。
- 相手の知識や状況を把握して説明しているか
- 話す目的やゴールが明確になっているか
- 説明が一方通行になっていないか



話の流れが整理できていないと、相手に要点がうまく伝わりません。
この3点を意識するだけでも、伝わり方は大きく変わります。
相手の前提が共有できていない
話がうまく伝わらない背景には、自分と相手で前提のとらえ方がずれていることが多くあります。
自分にとっては使い慣れた表現でも、相手は意味をつかめないまま聞いているかもしれません。
以下のような用語を使う際には、注意が必要です。
用語・表現の種類 | 相手がつまずきやすい理由 |
---|---|
専門用語(例:KPI、APIなど) | 意味や背景知識が共有されていない場合がある |
フレームワーク(例:5W1H、PDCAなど) | 名称は知っていても使い方まで理解していない可能性がある |
業界略語・社内略語 | 社外・他部門の相手には伝わらないことが多い |
こうした表現を使う際には、相手の知識レベルを想定し、一言補足を添えることが大切です。
説明のゴールがあいまいなまま話している
説明にゴールがないと、相手の次の行動が止まってしまいます。
たとえば以下の3点のような場面です。
- 話を聞いた→このあと結局どうすればよいか分からない
- 質問の時間がない→意見を言うべきか、黙って聞くべきか判断できない
- 対象者が不明→説明が自分に関係あるのかどうかが分からない
はじめに「この案を採用するか判断してほしい」「◯日までに感想を返信してほしい」などを具体的に伝えておくと、相手の動きがスムーズになります。
一方通行の話し方になっている
相手の様子を見ずに一方的に話を続けてしまうと、伝わるはずの説明も、相手には「なんとなく聞いた」で終わってしまいがちです。
たとえば、こんな場面を見たことはないでしょうか。
- スライドを読み上げるだけになっている
- 質問を受け付けず「とりあえず最後まで」話してしまう
- 相手の表情や反応を気にせず話し続けている
このような状況では、相手は「理解できているか」を確認する機会が持てず、内容が頭に入らないまま流れていってしまいます。


分かりにくい説明を防ぐ3つのルール


説明がうまく伝わらない原因の多くは、話し方ではなく準備や構成にあります。限られた時間で理解や行動を引き出すには、内容を整理し、相手に届く順序で話すことが大切な要素です。
そこで意識したいのが、以下の3つの基本ルールです。
- 話の全体構造を先に伝える
- イメージできる具体例を盛り込む
- 相手の理解に合わせて話す



この3つを押さえるだけで、情報の伝わり方は大きく変わります。
次からそれぞれのポイントを具体的に見ていきましょう。
1. 話の全体構造を先に伝える
説明の冒頭で全体の流れを示しておくと、相手は話の構成をスムーズに理解しやすくなります。
話の構成にはいくつか型があり、場面に応じて使い分けることで、より伝わる説明になるでしょう。
話の型 | 活用シーン |
---|---|
背景→課題→解決策 | 社内提案や報告 |
結論→理由→具体例 | 会議や進捗報告 |
Before→After→How | 施策の提案や改善報告 |
どの構成を使うかによって、伝わり方や説得力には大きな違いが出てきます。
2. イメージしやすい具体例を盛り込む
説明の中に具体的な例がないと、聞き手は内容をうまくイメージできず、理解が止まってしまいがちです。
そこで、数値や固有名詞、画像などを加えることで、伝えたい内容をより具体的に思い描いてもらいやすくなります。
以下はわかりやすい説明の例です。
- 数字:一人平均20分
- 固有名詞:銀座店のランチ帯
- 画像:行列写真を1枚
こうした工夫を加えることで、聞き手は話の背景や状況をより具体的に受け取ることができ、内容への理解も高まりやすくなります。
3. 相手の理解に合わせて話す
説明が伝わらないとき、原因のひとつは「誰に向けて話しているのか」を意識できていないことにあります。
相手によって、伝える内容や言葉の選び方は変えるべきです。
たとえば、以下のような場合があります。
- 新人や若手社員:専門用語を避けて、できるだけ具体的な手順で伝える
- ベテランや管理職:背景や目的をシンプルに伝えて、要点を押さえる
- クライアントや外部の人:その業界や立場に合わせて、関連する事例を選ぶ
このように、説明は「誰に伝えるか」で話の形が変わってきます。
自分の言葉を翻訳するつもりで、相手の理解に合った話し方を工夫することが大切です。
行動を促すゴールを明確にする


説明したのに相手が動いてくれない、といった場面に心当たりはないでしょうか。



相手は、話を理解しただけでは動き出せません。
動いてもらうためには、自分があらかじめ「この説明で何を目指すのか」「そのために何を求めているのか」を整理しておく必要があるのです。
説明の目的は、大きく次の3つに分けられます。
- 情報の共有:状況や内容を知っておいてほしい
- 意見の収集:相手の反応や考えを引き出したい
- 行動の依頼:具体的に動いてもらいたい
今日は何のために説明するのか、説明のあとに相手にどうしてほしいのかを冒頭で伝えるだけで、行動につながりやすくなります。
説明の目的をあらかじめ決めておく
話し始める前に、自分の中でこの説明は何のために行うのかをはっきりさせておくことが重要です。
目的が曖昧なままでは、話の軸がぶれたり、相手の期待とズレが生じます。
たとえば、以下のような説明の目的が考えられます。
説明の主な目的 | 意識したい話の構成 |
---|---|
状況の共有や報告 | 事実を簡潔に整理し、要点を順序立てて伝える |
問題提起や提案 | 現状→課題→提案の順にロジックを組み立てる |
理解や納得を得る | 根拠や事例を挙げて、相手の疑問に先回りする |
「何のために話すのか」をあらかじめ整理しておくだけで、説明の流れが自然と作れます。
話している途中で迷うことも減り、相手にもスムーズに伝わりやすくなるでしょう。
相手が次にとるべき行動を言葉で示す
説明がきちんと伝わったかどうかは、相手が自分は何をすればいいのか、がイメージできているかどうかで分かります。
説明の最後に使える締めくくり方には以下のようなパターンがあります。
締めくくりのタイプ | 伝えたいことの内容 |
---|---|
情報確認型 | 共有した内容を相手が理解できているかどうかを確認する |
意見収集型 | 参加者の意見や感じたことを引き出す |
行動指示型 | 次に何を、いつまでにやってほしいのかを明確に伝える |
どのタイプで締めるのかを自分の中で決めておくと、相手の動きを自然に引き出す説明になります。
まとめ:分かりにくい説明は改善できる


説明が分かりにくいかも、と思ったら、内容より先に伝え方の設計を見直してみましょう。
まず冒頭で「目的」と「ゴール」をはっきりさせ、締めくくりでももう一度確認すると、相手は次に取るべき行動を迷わず選べます。この小さな工夫だけで説明のわかりやすさは大きく変わります。



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